不動産を相続したときには、速やかに「名義変更」する必要があります。
名義変更をせずに放置していると、不動産の所有者が明らかにならないので、さまざまなトラブルにつながる可能性が高まってしまいます。
今回は、不動産の名義変更手続き(相続登記)について、弁護士が解説いたします。
1.不動産の名義変更とは
不動産の名義変更とは、不動産の所有名義人を書き換えることです。
不動産については、登記による公示制度が採用されているので、権利関係は法務局の「全部事項証明書」(登記簿)によって公示されます。
ただ、権利の変動が起こっても、自動的に登記が書き換わるわけではないので、変更した当事者が、遅滞なく登記を変更する必要があります。
不動産の相続が起こったら、不動産の所有者は被相続人から相続人へと変わるので、相続した不動産の名義変更をしなければなりません。
2.名義変更に期限や罰則はない
ところが、ときどき、不動産を相続しても、名義変更をせずに放置する方がいらっしゃいます。
名義変更には期限や、名義変更しないときの罰則などはないのでしょうか?
不動産の登記については、遅滞なく行うべきと考えられていますが、特に期限は無く、登記しないときの罰則もありません。
そこで、実際にも、相続開始後20年以上が経過しても登記名義の変更をせず、亡くなった人の名義のまま放置されているケースなどもあります。
3.名義変更をしない場合の問題点
しかし、不動産の名義変更をしないと、さまざまなトラブルにつながる可能性があります。
まず、無権利者が勝手に不動産を売却してしまうリスクが発生します。死亡した人の名義のままになっており、本当は誰のものか分からないので、無権利者が「自分が相続人だ」などと言って取引相手を騙すのです。
また、他の相続人が、勝手に不動産を法定相続人の共有名義に登記してしまい、自分の共有持分を売却してしまう可能性もあります。遺産分割協議が未了の場合、とりあえず法定相続分通りの共有登記にすることが認められているからです。
このようなことが起こったら、真の権利者が不動産を取り戻すことが困難になってしまう可能性もあるので、注意が必要です。
4.名義変更の方法
以上のような問題があるので、不動産を相続したら、早期に名義変更(相続登記)してしまうことが重要です。
不動産の名義変更をするときには、遺産分割協議書と被相続人の出生から亡くなるまでのすべての戸籍謄本類、相続人の印鑑登録証明書などの書類が必要となります。
また、登録免許税も収めなければなりません。
自分で行うことが難しければ、司法書士に依頼することも可能です。
当事務所では、不動産の遺産分割方法のアドバイスから相続登記の完了まで、ワンストップでサポートいたします。
和歌山で不動産を相続された場合には、一度お気軽にご相談下さい。