その遺言、有効か無効か。遺言能力の考慮要素

遺言の中でも、もっとも確実性と信頼性が高いものが
公正証書遺言ですが、それでも無効とされる(できる)場合があります。

公正証書遺言が無効であるか有効であるかは、遺言能力の有無が重要となります。
争いを避けるためにも遺言能力の有無はどのようなことで考慮されるのかを知っておきましょう。
下記リンク先の公正証書遺言が無効と認められた事例も合わせてお読みください。

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遺言能力と考慮要素

遺言能力とは『遺言の内容を理解し、遺言の結果を弁識(理解)できる能力』のことをいいます。
遺言能力の有無は大きく分けて以下の4つの事情が考慮されます。

遺言者の精神疾患(障害)の存否、内容、程度
遺言作成の具体的状況
遺言内容などの難易の程度
遺言内容の自然性・合理性・公平性の程度

では、それぞれの考慮要素を詳しく見ていきましょう。

 

①遺言者の精神疾患(障害)の存否、内容、程度

例1:『認知症高齢者の日常生活自立度判定基準』がどのランクに該当していたか。

認知症『日常生活自立度判定基準』

例2:長谷川式簡易知能評価が何点であったか。
長谷川式簡易知能評価は医療機関で認知症の診断に広く利用されている方法で、
30点満点中20点以下だと認知症の疑いが高いとされています。

他にも遺言作成時に入院していた病院のカルテ・診療記録に
記載されている内容なども考慮要素となります。

 

②遺言作成の具体的状況

例:公正証書を作成した公証人の証言など

  • 「誰に遺言を残したいですか」と質問したところ、
    被相続人が「妻に残したい」旨の発言をした。
  • 被相続人は署名ができず代筆としたが、署名を試み、
    ペンを紙に近づけ、1~2分程度署名しようと試みる努力をした。
  • 署名しようとした形跡のついた公正証書案が残っている。

具体的状況は証言だけでなく、遺言作成時に動画での撮影、録音をしたり、
あらかじめ遺言作成時の状況を文面化しておくことが有効です。

 

③遺言内容などの難易の程度

例1:難易の程度が低い
「全ての財産を妻にあげる」といった単純な内容
例2:難易の程度が高い
「複数の者に対して複数の特定の土地を相続させる」といった複雑な内容

 

④遺言内容の自然性・合理性・公然性の程度

例:「全ての財産を妻にあげる」といった遺言の場合

  • 被相続人と妻は良好な関係であったか
  • 遺言書の無効を訴えている者と被相続人との関係はどのようなものだったか など

 

まとめ

トラブルを予防するために作成した公正証書遺言でも、トラブルを完全に防ぐことはできません。
遺言を作成するときには、遺言能力があったと主張できるようにカルテの写しをもらっておいたり、
作成時の状況を記録したりしておきましょう。

また、遺言書の無効を訴えられないように、遺言作成時に弁護士などの専門家(第三者)に
相談しておくことで、よりトラブルを予防することができます。

 

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