遺贈をするときの注意点

相続をさせることができるのは法定相続人だけですが、
遺贈は法定相続人はもちろん、法定相続人以外の人や団体にもすることができます。

遺贈先の指定には、特に制限が無いのですが、
注意しなければいけないことがいくつもあります。

今回は、遺贈をするときに注意しなければならないポイントをご紹介します。

1.法定相続人に「遺贈する」デメリット

法定相続人に対しても、「○○を遺贈する」と遺言を作ることはできますが、
「相続させる」とする方が、相続人が行わなければならない手続きが楽になります。

例えば、不動産を相続または遺贈されたときには、所有権移転の登記申請をする必要があります。
「遺贈」された場合は、他の法定相続人全員(遺言執行者がいる場合は遺言執行者)と共同で
登記申請しなければならず、協力が得られなければ手続きを進めることができません。

一方、「相続」した場合は、指定された相続人が単独で申請することができます。

他にも、「遺贈」された場合には、いくつかの手続きが出てきますので、
遺言書を作成するときは、法定相続人に対して「遺贈する」「与える」「譲る」とするのではなく、
よほどのことが無い限り、「相続させる」とした方がいいでしょう。

2.相続人と受遺者の人間関係と遺留分

わざわざ法定相続人に遺贈する必要はありませんので、
基本的には、遺贈は相続人以外にすることになります。

そして、相続人以外に財産を譲るということは相続人の取り分が減ってしまうため、
相続人は遺贈を快く思わないことがあります。

そのため、遺贈によって相続人の遺留分を侵害してしまうと
相続人が受遺者に対して遺留分侵害額請求をする可能性が高くなります。

遺贈をするときには、遺留分に気を付けましょう。
遺贈によって相続人に不満が出てくるのではと心配であれば
付言事項として、どのような思いで遺産をを配分したのかなどを
書いておくと少しだけでも相続人の不満を和らげることができるかもしれません。

【1.法定相続人に「遺贈する」デメリット】でも解説していますが、
不動産の受遺者は、他の法定相続人全員(遺言執行者がいる場合は遺言執行者)と共同で
登記しなければならず、協力が得られなければ手続きを進めることができません。

スムーズに遺贈するためにも、遺言執行者を指定しておくことをおすすめします。

3.受遺者が支払う税金

【相続税】

遺贈には、贈与税ではなく相続税がかかります。
相続税は、基礎控除額があるため、実際に支払いが必要があるのは
全体の8%程度と言われています。

ただ、受遺者が相続税を支払う必要があるときには相続税の支払額が2割増になります。
(被相続人の一親等の血族及び配偶者以外の人である場合には、
その人の相続税額にその相続税額の2割に相当する金額が加算されます。)
(詳しくは国税庁のホームページをご覧ください。)

【不動産取得税】

不動産所得税は、土地や家屋などの不動産を所得したときに支払う税金です。
相続により不動産を所得したときには課税されません

自動車取得税についても同様ですが、自動車取得税は
消費税が10%に増税すると同時に廃止になる予定です。

【登録免許税】

登録免許税とは、不動産の所有権を登記する手続きの際に国に納める税金のことです。

相続にかかる登録免許税は、【不動産の固定資産税評価額の0.4%】ですが、
遺贈にかかる登録免許税は、【不動産の固定資産税評価額の2%】が課税されます。
(贈与などと同じ扱いになります。)

※:補足
相続により土地を取得した場合、2018年4月1日から2021年3月31日までの間の土地の所有権の
登記名義人とするために受ける登記については、登録免許税を課さないこととされました。
(詳しくは法務局のホームページをご覧ください。)

まとめ

遺贈をするときには、受遺者にどのような負担がでてくるのかを知っておくことが大切です。
特に、不動産を遺贈するときには、受遺者は様々な税金を納めなければなりません。

そして、登記の手続きは複雑なため、司法書士などの専門家に依頼する方が多く、
その報酬金も相続人や受遺者の負担となるので注意が必要です。

虎ノ門法律経済事務所は弁護士だけでなく、税理士・司法書士・行政書士なども
所属しておりますし、和歌山支店 支店長弁護士の野上晶平は多くの税務問題に
携わっており、専門的な知識を有しています。

遺贈したい(遺言書を作成したい)ときや、相続時の税金対策をお考えであれば
当事務所では初回相談料を無料とさせていただいていますので、お気軽にご相談ください。

関連ページ

 

無料相談ご予約・お問い合わせ

 

LINEで相談予約

 

トップへ戻る

電話番号リンク 問い合わせバナー LINE相談予約